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第13回 うつ病の診断

第13回です。今回は、うつ病の診断について説明していきます。アメリカの精神科の学会が作ったDSM5という診断基準があり、様々な精神疾患の診断基準について記載されています。正式には、精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の頭文字でDSMで5というのは第5版です。私が精神科の修業を始めたころは第4版が出たばかりの時期だったと記憶しています。5版が出たのは2013年。すでに出てから結構時間がたっていますね。また、DSMが最初に整備された、つまり、1班は1952年と歴史がそれなりにあるものになります。

 

DSM5によるうつ病の診断基準

 

DSM5によるうつ病の診断基準は以下のようになっています。

以下のうち、1と2のどちらかに当てはまり、合計5つの症状が2週間以上続く場合、うつ病と診断する。

  1. 自分の言葉か、まわりから観察されるほとんど毎日の抑うつ気分
  2. ほとんど毎日の喜びの著しい減退
  3. 著しい体重の減少、あるいは体重増加、ほとんど毎日の食欲の減退または増加
  4. ほとんど毎日の不眠または過眠
  5. ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能)
  6. ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退
  7. ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感
  8. 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日
  9. 死についての反復思考、反復的な自殺念慮、または自殺企図

 

要は、落ち込みや喜びを感じられなくなる状態が長続きすると、うつ病と診断することが多いのです。しかし、これはあくまで診断基準です。これに当てはまってもうつ病と診断しない場合も日々の診察場面ではよくあります。精神科医の主観も多少は混じるでしょう。こればかりは完全に排除できません。将来的にAIが診断をつけてくれる日も来るかもしれません。しかし、特に精神科はその場の患者様が醸し出す雰囲気、声の抑揚、服装、体臭、普段の様子を知っている家族からの情報、など、様々なことをもとに診断をくだす科です。よって、私としては、AI診断が最後まで難しい科だろうと考えています。さて、正直私自身もこのDSM5の項目を1から9まで丸暗記しているわけではありません。では、どのように診断するのでしょうか?

 

実際的なうつ病の診断方法

これは私の方法なので、医師によってばらつきがあると思われます。私もDSM5通り診察しているわけではないとはいえ、結果的に、DMS5に近い形で診断を下しています。やはり、うつ病になると、一言でいうと、元気、活力がなくなります。更に、あれだけ好きだった趣味も力が入らなくなり、例えば、ドラマ鑑賞が好きだった主婦が、「もういいや」と言って、録画した60分のドラマすら途中で見るのをやめてしまうようになります。学生やサラリーマンなら頭がボーっとし、今までなら決してしなかったであろううっかりミスが増えてきます。そして、寝つきが悪くなり、寝ても途中で目が覚めるようになります。早朝覚醒といって、4時か5時ごろには目が覚めてしまい、そこから眠れなくなる人も多いです。また、落ち込みがひどくなると死にたくなる人もいます。ただ、ここは注意が必要で、例えば、もともと虐待を受けて育ったり、家庭環境が複雑だったり、学生時代にひどいイジメを受けて、「小さい頃から何となく死にたい気持ちをもって生き続けている」という方もおられます。このような人の場合、死にたい気持ち=うつ病とは言えません。また、うつ病かと思ったら、統合失調症だった、躁うつ病だった、甲状腺機能低下症だった、など、色々な症例をこれまで経験しています。結局のところ、落ち込んだ結果、パフォーマンスやものの考え方、受け取り方が「前の自分とは全然異なっている」というのが一番の診断の肝ではないか?と考えている日々です。簡単に言うと、以前と比べて別人のようになっている状態と言ってもいいかもしれません。

 

今回は、うつ病の診断について簡単に説明しました。実際には診察場面での些細なことなども総合して診断をすることになるので、お困りの方は受診してくださ

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