お知らせ

第2回 精神科、心療内科はどのようなときに受診すべきか

第2回 精神科、心療内科はどのようなときに受診すべきか

 

第2回です。今回は、精神科や心療内科、いわゆるメンタルクリニックにはどのようなときに受診するべきなのかを書いていきたいと思います。メンタルクリニックには様々な症状で患者様が訪れます。一番分かりやすいのが、不眠、不安、落ち込み、などでしょう。精神的な症状が出る原因は様々です。明らかな原因がない場合もありますし、会社のストレスや長時間労働、学校でのいじめ、体の病気、などが原因の時もあります。例えば、会社で長時間労働が続けば、誰だって辛いですよね?それが原因で、うつ状態になってしまう人も珍しくありません。そのような人には、クリニックを受診してもらいます。症状が強ければ、私の方から診断書を書いて、休職したり、業務負荷を取ることが望ましい、などと書くこともあります。ただ、患者様一人一人により、状況は様々。「会社を休みたくない」と主張して譲らない人もいれば、私が診察して「会社を休むまではないかな」と思っても、「会社を休みたい」と主張する人もおられます。その場で、その人にあった助言や対策をできるだけしていくことになります。

 

不眠の場合

 

また、不眠一つとっても、原因は様々。意外と多いのは、酒を飲みすぎて眠れない人です。意外かもしれませんが、酒は睡眠に逆効果なのです。私は昔、成増厚生病院のアルコール依存症の専門病棟で働いていたことがあります。皆さん、見事に入院当初は不眠を訴えます。これはアルコールの離脱症状も原因の一つかと思われます。そして、不思議なことに入院して断酒を2週間ほどしたときに、今度は徐々に不眠が改善していくのです。私も患者様には「眠りたいなら、酒は盆暮れ正月、冠婚葬祭、久々の友人と会った時だけにしてください」と伝えます。それでも、飲みたいという人には「飲まないに越したことはないですが、2週間に1回ぐらいならギリギリOK。よくなりたかったら酒はとにかく減らしてください」と伝えます。また、若い人、働き盛りの人だと、コーヒーを飲みすぎたりして、カフェインを取りすぎている人もいます。まずは、カフェインを減らさないと睡眠薬もなかなか効きません。

 

不安の場合

 

不安を訴え、受診される方も非常に多いです。原因は様々。原因がなくても、なんとなく不安が止まらなくなってしまった人もいれば、明らかなきっかけがある人もいます。原因があれば、その原因から離れることで落ち着く場合もありますし、家族からのDVなど、すぐには解決できない悩みを抱えている人もいます。その場合、薬の助けが必要になるかもしれません。また、不安といっても、何となくの不安が1日中続く人もいれば、強度の不安が30分ほど続く、いわゆるパニック発作が出る方もあり、やはりその人それぞれで薬や助言が違うことが多くあります。

 

入院が必要な場合

 

例外として、例えば、「お前を殺すぞ」という幻聴が強くて、家にいるのが怖くて、夜中に家を飛び出し、公園で独り言を言いながら、歩き回っているところをパトロール中の警察に保護された、だとか、死にたい気持ちが強すぎる、死ぬことばかり考えてロープを買ってきて、首をつってみたが、苦しくて死ねなかった、などという場合があります。このような場合には、精神科の病院を紹介し、場合によっては入院をしていただく場合もあります。私は精神科医なので、総合病院の救急部や循環器内科、脳外科の先生のように身体の面で生死の境をさまよう人は診察してきませんでしたが、精神の面で生死の境という方はたくさん診察してきました。もちろん、そこまで重症になるまでに治療がうまくいくようにできるだけ手は尽くすのですが。。。

DR.BRIDGE|クリニックホームページ作成クリニックホームページ制作
  • 048-783-3302048-783-3302
TOPへ