てんかんの治療
基本的にはまずは薬物療法を試します。
それでも、効果が得られない場合は外科治療や食事療法を試します。
薬物療法
脳の興奮を抑える抗てんかん薬による治療です。薬をきちんと処方箋通りに毎日飲むことが重要です。意外とこれが難しいのです。基本的な治療の考え方としては発作が止まればいいわけです。なので、例えば、
1ある抗てんかん薬Aを試す。
2副作用が出る。
3抗てんかん薬Aを中止して他の抗てんかん薬Bを試す。
4それでも発作が起こる→抗てんかん薬Bを少しずつ増やしていく。
5抗てんかん薬Bの最高用量まで増やしたが、発作が止まらない。
6抗てんかん薬Cを試す。
7発作が止まる。
というような流れで、患者様一人一人に合う抗てんかん薬を見つけていくことになります。この際、血中濃度を測定するために採血が定期的に必要となります。濃度を見て、抗てんかん薬の量を調整することもありますし、副作用が起きていないかの確認といった意味もあります。
抗てんかん薬の副作用
代表的なものは、眠気とふらつきです。これはほぼすべての抗てんかん薬で多少は現れる可能性があります。次に重要なものは発疹です。発疹を起こし易い抗てんかん薬は決まっていますので、慎重に増量し、もし発疹が出るようならその薬を中止する必要があります。私は、「発疹が出たら大変ですので、迷ったらすぐに飲むのをやめていいですよ。」と患者様に伝えることが多いです。その他、様々な副作用がありますので、個別に対応していくことになります。
外科治療
一番有名なのが側頭葉てんかんにおける海馬切除術(かいばせつじょじゅつ)です。その他、発作が始まる部分を検査により突き止め、そこを切除する手術などがあります。VNSといって、迷走神経を刺激する装置を皮膚に埋め込む手術もあります。いずれの手術もてんかん専門の脳外科医が行います。当院ではVNSの調整は出来ない為、設備の整った高度医療機関へ紹介いたします。
食事療法
難治てんかんの場合、ケトン食などの食事療法が行われる場合もあります。これもてんかんセンターなどてんかんの専門施設で行っている治療であり、当院では行っておりません。小児が対象となります。