発作に出会ったら
一言で言って、何もすることはありません。むしろ発作でけいれんしている人やボーっとしている人を押さえつけたりすると、逆に無意識状態の患者様から思わぬ抵抗を可能性もありますので、観察するのみでOKです。また、発作中の方の口に割りばしやおしぼりなどの物を突っ込むのも厳禁です。逆に噛まれてしまい、大けがする可能性があります。ただ、近くに危ないもの(発火物、水、機械など)があれば、患者様をそれに近づけないようにするといいでしょう。そこまで行った上で、更に余裕があれば、患者様の様子を確認するといいでしょう。
観察項目
- いつどこで何をしている時に発作が始まったか?
- 目はどっちを向いていたか?手はどのような形になっていたか?
- 発作中、問いかけに反応できたか?発作が終わった後、ボーっとしていたか?
- トータルで発作は何分ぐらい続いたか?
などを診察時に目撃者の方が医師に伝えてくださると正しいてんかん診断に近づきます。最近では、スマホのカメラ機能も高性能化していますので、ビデオ動画を撮影していただけるとかなり多くのことが分かります。
発作が止まらなかったら
覚えていただく時間は5分です。5分以上発作が続く(てんかん重積状態と言います)ようなら救急車を呼んで総合病院で救急部に受診する必要があります。てんかん発作というのはほとんどが2~3分で自然と終わることが多いのですが、5分を過ぎると、注射薬などを投与しないと発作が止まらないと言われているからです。5分以内に発作が終わった場合は救急車を呼ぶ必要はなく、次回の診察時にいついつに発作があったと主治医に伝えてください。その他、発作が終わって意識がまだ完全に戻らない状態で次の発作が始まった場合も救急搬送してもらったほうがよいでしょう。